「問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。
2014.04.09
一般に、扁桃体は不安や恐怖を司る脳領域だと信じられています。場面緘黙症でも扁桃体の興奮しやすさ(閾値の低さ)が緘黙症の原因であるとする説明があります。しかし、扁桃体損傷患者でも不安、恐怖を感じることができるとの報告があり、事態はそう単純ではありません。また、近年の神経科学研究では扁桃体には不安や恐怖を抑制する機能もあることが明らかになっています。
これはオプトジェネティクスという最新の技術を用いた研究成果です。したがって、扁桃体に不安・恐怖を抑制する機能があることを実証した研究が発表され始めたのは比較的最近です。ただ、オプトジェネティクスは動物実験が主ですので人間にも同じことが当てはまるかは不明です。しかし、人間の扁桃体にも脅威刺激に対する警戒心を弱める機能があるという科学的根拠を呈示した研究が2012年に初めて報告されました。
*オプトジェネティクス(光遺伝学)とは「神経回路機能を光と遺伝子操作を使って調べる研究分野」で、「ミリ秒単位の時間的精度をもった制御を特徴」とします(理化学研究所HPより)。
そこで、オプトジェネティクス等の技術を用いた最近の扁桃体研究をまとめてみました。なお、私はオプトジェネティクスに詳しくないので以下の記述には間違いがあるかもしれません。
また、(神経)心理学でいう不安と恐怖は違うことに注意してください。不安とは明確な脅威刺激がないにもかかわらず生じる、比較的長時間(または持続性)の情動であるのに対し、恐怖とは脅威刺激があって初めて引き起こされる、比較的短時間(または一過性)の情動のことです。
○オプトジェネティクス等で扁桃体機能の解明に挑む
オプトジェネティクスでは、チャネルロドプシンという光感受性イオンチャネルのタンパク質を神経細胞に発現させ、青色光を照射すると、その神経細胞を活動させることができます。逆にハロロドプシンというタンパク質を発現させて黄色い光を当てると、神経活動を抑制することができます。さて、いよいよ扁桃体の謎へ迫りましょう。
●扁桃体基底外側部-扁桃体中心核は不安を弱める
スタンフォード大学の先生方がオプトジェネティクスで扁桃体回路の機能を調べた論文が2011年、Nature誌に投稿されました。この研究は米国国立精神衛生研究所(NIMH:National Institute of Mental Health)の支援を受けていました。
Tye, K. M., Prakash, R., Kim, S. Y., Fenno, L. E., Grosenick, L., Zarabi, H., Thompson ,K. R., Gradinaru, V., Ramakrishnan, C., & Deisseroth, K. (2011). Amygdala circuitry mediating reversible and bidirectional control of anxiety. Nature, 471(7338), 358-362. doi:10.1038/nature09820.
この論文では不安様行動試験として高架式十字型迷路等を用いています。高架式十字型迷路とは高いところにある十字迷路のことで、壁が低い通路と壁が高い通路を設け、前者に滞在する時間が長かったら不安が低いと判断し、後者に滞在する時間が長かったら不安が高いと判断するわけです。
スタンフォード大学の研究チームはマウスの扁桃体中心核にある扁桃体基底外側部の神経終末をオプトジェネティクスで刺激、活動させると、不安様行動が減少することを発見しました。
逆にハロロドプシンeNpHR3.0に対する黄色光照射で、扁桃体基底外側部-扁桃体中心核(BLA-CeA)の活動を抑制すると不安様行動が増加しました。
つまり、スタンフォード大学の研究によれば、扁桃体のBLA-CeA回路は不安を弱める働きをしているというわけです。
●視床下部から分泌されるオキシトシンが恐怖様反応を弱めるのに、扁桃体が媒介
以下の扁桃体のオプトジェネティクス研究に関するレビュー論文によると、扁桃体中心核にある視床下部のオキシトシンニューロンのシナプス終末をオプトジェネティクスで刺激した実験があります。結果は扁桃体中心核外側の活動が高まり、扁桃体中心核内側部の活動が低下すると同時に、文脈恐怖条件づけでのフリージングが減少したというものでした。
*扁桃体中心核外側は扁桃体中心核内側の活動を抑制し、恐怖を弱めると考えられています。なお、オキシトシンとは脳下垂体後葉から分泌されるホルモンのことで、愛情や信頼等に関わりがあるとされています。
Lalumiere, R. T.(2014). Optogenetic dissection of amygdala functioning., 8:107. doi: 10.3389/fnbeh.2014.00107.
*オキシトシンニューロンの刺激で恐怖関連行動(フリージング)が弱まるという研究は以下の論文によります。
Knobloch, H. S., Charlet, A., Hoffmann, L. C., Eliava, M., Khrulev, S., Cetin, A. H., Osten, P., Schwarz, M. K., Seeburg, P. H., Stoop, R., Grinevich, V. (2012). Evoked axonal oxytocin release in the central amygdala attenuates fear response. Neuron, 73(3), 553–566. doi: 10.1016/j.neuron.2011.11.030.
●扁桃体基底外側部には恐怖記憶を弱める機能がある
また、Thy1-ChR2-EYFPトランスジェニックマウスを用いた以下の論文によると、トーン恐怖条件付け中に扁桃体基底外側部のグルタミン酸作動性錐体細胞をオプトジェネティクスで刺激すると、後の恐怖記憶が弱まります。恐怖の消去中、つまり、呈示刺激がトーンだけで恐怖刺激を与えない間に同じ扁桃体基底外側部のグルタミン酸作動性錐体細胞を刺激すると、消去の保持が促進されます。
Jasnow, A. M., Ehrlich, D. E., Choi, D. C., Dabrowska, J., Bowers, M. E., McCullough, K. M., Rainnie, D. G., & Ressler, K. J. (2013). Thy1-expressing neurons in the basolateral amygdala may mediate fear inhibition. Journal of Neuroscience, 33(25), 10396-10404. doi: 10.1523/JNEUROSCI.5539-12.2013.
●基底外側扁桃体から内側前頭前野に投射する神経線維には恐怖学習を促進するものと抑制するものの2種類がある
マウスについては知らないのですが、ラットの脳にはprelimbicとinfralimbicという前頭前野の領域があります。直訳すると、prelimbicは前辺縁、infralimbicは下辺縁です。以下の論文によれば、prelimbicに投射する扁桃体基底外側部ニューロンは恐怖の際に活動し、infralimbicに投射する扁桃体基底外側ニューロンは恐怖の消去中に活性化します。これはオプトジェネティクスにより因果関係が確かめられた神経連絡です。
つまり、同じ扁桃体基底外側部ニューロンでもその神経細胞が前頭前野のどこに軸索を伸ばしているかによってその役割は正反対であるということです。
Senn, V., Wolff, S. B., Herry, C., Grenier, F., Ehrlich, I., Gründemann, J., Fadok, J. P., Müller, C., Letzkus, J. J., & Lüthi, A. (2014). Long-range connectivity defines behavioral specificity of amygdala neurons. Neuron, 81(2), 428-437. doi: 10.1016/j.neuron.2013.11.006.
●扁桃体中心核外側には恐怖反応を誘発する機能と抑制する機能がある
また、カリフォルニア工科大学等の研究チームが発表した論文によれば、マウスの扁桃体中心核外側にはプロテインキナーゼC(PKC)-δの発現の有無によってPKC-δ(+)ニューロンとPKC-δ(-)ニューロンがあるとのことです。そして、PKC-δ(+)ニューロンは条件刺激によって抑制されるCEl(off)ニューロンと対応しており、PKC-δ(-)ニューロンはCS(on)ニューロンと対応しています。
PKC-δ(+)/CS(off)ニューロンとPKC-δ(-)CS(on)ニューロンは互いに抑制し合っており、前者が結果的に扁桃体中心核内側ニューロンを抑制し、恐怖信号の伝達を抑えるのに対して、後者は脅威刺激に反応し、扁桃体中心内側部を活性化、恐怖反応を促すのです。
つまり、カリフォルニア工科大学等の研究によれば、扁桃体中心核外側には恐怖反応を誘発するニューロンと抑制するニューロンの2種類があることになります。
Haubensak, W., Kunwar, P. S., Cai, H., Ciocchi, S., Wall, N. R., Ponnusamy, R., Biag, J., Dong, H. W., Deisseroth, K., Callaway, E. M., Fanselow, M. S., Lüthi, A., & Anderson, D. J. (2010). Genetic dissection of an amygdala microcircuit that gates conditioned fear. Nature, 468(7321), 270-276. doi: 10.1038/nature09553.
●扁桃体中心核に不安を下げるエンドカンナビノイド系が存在
バンダービルト大学等の研究チームが発表した以下の論文によると、扁桃体中心核のグルタミン酸作動性シナプスにエンドカンナビノイド(内因性カンナビノイド)受容体の一種、CB1受容体があるとのことです。エンドカンナビノイドは抗不安作用があることから、扁桃体中心核にも不安軽減回路があるかもしれないとの科学ニュースが今年、賑わいました。
Ramikie, T. S., Nyilas, R., Bluett, R. J., Gamble-George, J. C., Hartley, N. D., Mackie, K., Watanabe, M., Katona, I., & Patel, S. (2014). Multiple mechanistically distinct modes of endocannabinoid mobilization at central amygdala glutamatergic synapses. Neuron, 81(5), 1111-1125. doi: 10.1016/j.neuron.2014.01.012.
社会不安障害の治療にカンナビジオールを用い、その有用性も示した研究がありますが、もしかしたら扁桃体中心核にも作用していたのかもしれません。
*カンナビジオールとはカンナビノイドの1種である化学物質のことです。また、カンナビノイドとは大麻に含まれる化学成分のことをいいます。
ただ、以上の実験結果は最新のものばかりで、今後再現されるかどうか待つ必要があります。また、動物実験ばかりで、ヒトでもさらなる研究が必要です。というのも、人間を対象とした、扁桃体の下位領域ごとの機能差に着目した研究は少ないからです。
これはオプトジェネティクスという最新の技術を用いた研究成果です。したがって、扁桃体に不安・恐怖を抑制する機能があることを実証した研究が発表され始めたのは比較的最近です。ただ、オプトジェネティクスは動物実験が主ですので人間にも同じことが当てはまるかは不明です。しかし、人間の扁桃体にも脅威刺激に対する警戒心を弱める機能があるという科学的根拠を呈示した研究が2012年に初めて報告されました。
*オプトジェネティクス(光遺伝学)とは「神経回路機能を光と遺伝子操作を使って調べる研究分野」で、「ミリ秒単位の時間的精度をもった制御を特徴」とします(理化学研究所HPより)。
そこで、オプトジェネティクス等の技術を用いた最近の扁桃体研究をまとめてみました。なお、私はオプトジェネティクスに詳しくないので以下の記述には間違いがあるかもしれません。
また、(神経)心理学でいう不安と恐怖は違うことに注意してください。不安とは明確な脅威刺激がないにもかかわらず生じる、比較的長時間(または持続性)の情動であるのに対し、恐怖とは脅威刺激があって初めて引き起こされる、比較的短時間(または一過性)の情動のことです。
○オプトジェネティクス等で扁桃体機能の解明に挑む
オプトジェネティクスでは、チャネルロドプシンという光感受性イオンチャネルのタンパク質を神経細胞に発現させ、青色光を照射すると、その神経細胞を活動させることができます。逆にハロロドプシンというタンパク質を発現させて黄色い光を当てると、神経活動を抑制することができます。さて、いよいよ扁桃体の謎へ迫りましょう。
●扁桃体基底外側部-扁桃体中心核は不安を弱める
スタンフォード大学の先生方がオプトジェネティクスで扁桃体回路の機能を調べた論文が2011年、Nature誌に投稿されました。この研究は米国国立精神衛生研究所(NIMH:National Institute of Mental Health)の支援を受けていました。
Tye, K. M., Prakash, R., Kim, S. Y., Fenno, L. E., Grosenick, L., Zarabi, H., Thompson ,K. R., Gradinaru, V., Ramakrishnan, C., & Deisseroth, K. (2011). Amygdala circuitry mediating reversible and bidirectional control of anxiety. Nature, 471(7338), 358-362. doi:10.1038/nature09820.
この論文では不安様行動試験として高架式十字型迷路等を用いています。高架式十字型迷路とは高いところにある十字迷路のことで、壁が低い通路と壁が高い通路を設け、前者に滞在する時間が長かったら不安が低いと判断し、後者に滞在する時間が長かったら不安が高いと判断するわけです。
スタンフォード大学の研究チームはマウスの扁桃体中心核にある扁桃体基底外側部の神経終末をオプトジェネティクスで刺激、活動させると、不安様行動が減少することを発見しました。
逆にハロロドプシンeNpHR3.0に対する黄色光照射で、扁桃体基底外側部-扁桃体中心核(BLA-CeA)の活動を抑制すると不安様行動が増加しました。
つまり、スタンフォード大学の研究によれば、扁桃体のBLA-CeA回路は不安を弱める働きをしているというわけです。
●視床下部から分泌されるオキシトシンが恐怖様反応を弱めるのに、扁桃体が媒介
以下の扁桃体のオプトジェネティクス研究に関するレビュー論文によると、扁桃体中心核にある視床下部のオキシトシンニューロンのシナプス終末をオプトジェネティクスで刺激した実験があります。結果は扁桃体中心核外側の活動が高まり、扁桃体中心核内側部の活動が低下すると同時に、文脈恐怖条件づけでのフリージングが減少したというものでした。
*扁桃体中心核外側は扁桃体中心核内側の活動を抑制し、恐怖を弱めると考えられています。なお、オキシトシンとは脳下垂体後葉から分泌されるホルモンのことで、愛情や信頼等に関わりがあるとされています。
Lalumiere, R. T.(2014). Optogenetic dissection of amygdala functioning.
*オキシトシンニューロンの刺激で恐怖関連行動(フリージング)が弱まるという研究は以下の論文によります。
Knobloch, H. S., Charlet, A., Hoffmann, L. C., Eliava, M., Khrulev, S., Cetin, A. H., Osten, P., Schwarz, M. K., Seeburg, P. H., Stoop, R., Grinevich, V. (2012). Evoked axonal oxytocin release in the central amygdala attenuates fear response. Neuron, 73(3), 553–566. doi: 10.1016/j.neuron.2011.11.030.
●扁桃体基底外側部には恐怖記憶を弱める機能がある
また、Thy1-ChR2-EYFPトランスジェニックマウスを用いた以下の論文によると、トーン恐怖条件付け中に扁桃体基底外側部のグルタミン酸作動性錐体細胞をオプトジェネティクスで刺激すると、後の恐怖記憶が弱まります。恐怖の消去中、つまり、呈示刺激がトーンだけで恐怖刺激を与えない間に同じ扁桃体基底外側部のグルタミン酸作動性錐体細胞を刺激すると、消去の保持が促進されます。
Jasnow, A. M., Ehrlich, D. E., Choi, D. C., Dabrowska, J., Bowers, M. E., McCullough, K. M., Rainnie, D. G., & Ressler, K. J. (2013). Thy1-expressing neurons in the basolateral amygdala may mediate fear inhibition. Journal of Neuroscience, 33(25), 10396-10404. doi: 10.1523/JNEUROSCI.5539-12.2013.
●基底外側扁桃体から内側前頭前野に投射する神経線維には恐怖学習を促進するものと抑制するものの2種類がある
マウスについては知らないのですが、ラットの脳にはprelimbicとinfralimbicという前頭前野の領域があります。直訳すると、prelimbicは前辺縁、infralimbicは下辺縁です。以下の論文によれば、prelimbicに投射する扁桃体基底外側部ニューロンは恐怖の際に活動し、infralimbicに投射する扁桃体基底外側ニューロンは恐怖の消去中に活性化します。これはオプトジェネティクスにより因果関係が確かめられた神経連絡です。
つまり、同じ扁桃体基底外側部ニューロンでもその神経細胞が前頭前野のどこに軸索を伸ばしているかによってその役割は正反対であるということです。
Senn, V., Wolff, S. B., Herry, C., Grenier, F., Ehrlich, I., Gründemann, J., Fadok, J. P., Müller, C., Letzkus, J. J., & Lüthi, A. (2014). Long-range connectivity defines behavioral specificity of amygdala neurons. Neuron, 81(2), 428-437. doi: 10.1016/j.neuron.2013.11.006.
●扁桃体中心核外側には恐怖反応を誘発する機能と抑制する機能がある
また、カリフォルニア工科大学等の研究チームが発表した論文によれば、マウスの扁桃体中心核外側にはプロテインキナーゼC(PKC)-δの発現の有無によってPKC-δ(+)ニューロンとPKC-δ(-)ニューロンがあるとのことです。そして、PKC-δ(+)ニューロンは条件刺激によって抑制されるCEl(off)ニューロンと対応しており、PKC-δ(-)ニューロンはCS(on)ニューロンと対応しています。
PKC-δ(+)/CS(off)ニューロンとPKC-δ(-)CS(on)ニューロンは互いに抑制し合っており、前者が結果的に扁桃体中心核内側ニューロンを抑制し、恐怖信号の伝達を抑えるのに対して、後者は脅威刺激に反応し、扁桃体中心内側部を活性化、恐怖反応を促すのです。
つまり、カリフォルニア工科大学等の研究によれば、扁桃体中心核外側には恐怖反応を誘発するニューロンと抑制するニューロンの2種類があることになります。
Haubensak, W., Kunwar, P. S., Cai, H., Ciocchi, S., Wall, N. R., Ponnusamy, R., Biag, J., Dong, H. W., Deisseroth, K., Callaway, E. M., Fanselow, M. S., Lüthi, A., & Anderson, D. J. (2010). Genetic dissection of an amygdala microcircuit that gates conditioned fear. Nature, 468(7321), 270-276. doi: 10.1038/nature09553.
●扁桃体中心核に不安を下げるエンドカンナビノイド系が存在
バンダービルト大学等の研究チームが発表した以下の論文によると、扁桃体中心核のグルタミン酸作動性シナプスにエンドカンナビノイド(内因性カンナビノイド)受容体の一種、CB1受容体があるとのことです。エンドカンナビノイドは抗不安作用があることから、扁桃体中心核にも不安軽減回路があるかもしれないとの科学ニュースが今年、賑わいました。
Ramikie, T. S., Nyilas, R., Bluett, R. J., Gamble-George, J. C., Hartley, N. D., Mackie, K., Watanabe, M., Katona, I., & Patel, S. (2014). Multiple mechanistically distinct modes of endocannabinoid mobilization at central amygdala glutamatergic synapses. Neuron, 81(5), 1111-1125. doi: 10.1016/j.neuron.2014.01.012.
社会不安障害の治療にカンナビジオールを用い、その有用性も示した研究がありますが、もしかしたら扁桃体中心核にも作用していたのかもしれません。
*カンナビジオールとはカンナビノイドの1種である化学物質のことです。また、カンナビノイドとは大麻に含まれる化学成分のことをいいます。
ただ、以上の実験結果は最新のものばかりで、今後再現されるかどうか待つ必要があります。また、動物実験ばかりで、ヒトでもさらなる研究が必要です。というのも、人間を対象とした、扁桃体の下位領域ごとの機能差に着目した研究は少ないからです。
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