「問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。
2013.07.01
今回は、特性不安が高い人は恐れの表情をした顔の呈示時間を長く感じるというお話です。
Bar-Haim, Y., Kerem, A., Lamy, D., & Zakay, D. (2010). When time slows down: The influence of threat on time perception in anxiety. Cognition & Emotion, 24, 255-263.
★概要
高不安群29名(女性24名)と低不安群29名(女性21名)が実験に参加しました。全員学生で、平均年齢は約22歳でした。
群分けはSpielbergerらのState-Trait Anxiety Inventoryにおける特性不安の得点により行いました。
Bar-Haim, Y., Kerem, A., Lamy, D., & Zakay, D. (2010). When time slows down: The influence of threat on time perception in anxiety. Cognition & Emotion, 24, 255-263.
★概要
高不安群29名(女性24名)と低不安群29名(女性21名)が実験に参加しました。全員学生で、平均年齢は約22歳でした。
群分けはSpielbergerらのState-Trait Anxiety Inventoryにおける特性不安の得点により行いました。
スポンサードリンク
2013.02.13
不安が高い人は怒った表情に対する注意バイアスがあります。また、注意バイアスは認知行動療法による不安障害の改善と関係しているようです(Legerstee et al., 2010)。
しかし、そもそも注意バイアスの基盤はいったい何なのかよく分かっていません。そこで、情報を処理する際に生じるバイアスを知覚の個人差として説明しようとした論文を読んでみました。具体的には、不安の高低によって表情判断の基準と感度(弁別力)に差があると主張しています。
Frenkel, T. I., Lamy, D., Algom, D., & Bar-Haim, Y. (2009). Individual differences in perceptual sensitivity and response bias in anxiety: Evidence from emotional faces. Cognition & Emotion, 23, 688-700.
★概要
スピルバーガー(Spielberger)による状態-特性不安検査(STAI)の特性不安得点に基づき、大学生を高不安群と低不安群に分けています。
刺激は恐怖または幸福の表情で様々な強度のものを用い、その強さを①17.5%または22.5%、②47.5%または52.5%、③77.5%または82.5%の2×3=6種類用意しました。なぜ20%、50%、80%の3種類にしないのかというと、17.5%と22.5%の比較などで微妙な表情の差に対する感度も測ることができるからです。
①~③の条件で、被験者にはどちらが表情が強いか(または弱いか)を判断させました。たとえば、①17.5%または22.5%の条件だと22.5%強度の方を強いと判断すれば正解です。顔刺激は判断が終わるまで見ることができました(つまり、考える時間が与えられていました)。
結果、高不安群は低不安群と比べて、①表情を恐怖と判断する基準が緩い(約20%、50%の強度)②表情を幸せと判断する基準が厳しい(約50%の強度)という結果になりました。
低不安群の立場からいうと、①は表情を恐怖と判断する基準が厳しい、②は表情を幸せと判断する基準が緩いということになります。
もっとも、恐怖表情の判断基準が0と有意に異なる(つまり、判断基準にバイアスが存在する)のは高不安群ではなく、低不安群の方でした。
高不安群のほうが低不安群よりも①弱い恐怖表情の強度(17.5% vs. 22.5%)間の違いを認識するのが苦手(p<.05)で②中程度の幸福表情(47.5% vs. 52.5%)間の違いにも鈍感な傾向(p<.10)でした。
しかし、そもそも注意バイアスの基盤はいったい何なのかよく分かっていません。そこで、情報を処理する際に生じるバイアスを知覚の個人差として説明しようとした論文を読んでみました。具体的には、不安の高低によって表情判断の基準と感度(弁別力)に差があると主張しています。
Frenkel, T. I., Lamy, D., Algom, D., & Bar-Haim, Y. (2009). Individual differences in perceptual sensitivity and response bias in anxiety: Evidence from emotional faces. Cognition & Emotion, 23, 688-700.
★概要
スピルバーガー(Spielberger)による状態-特性不安検査(STAI)の特性不安得点に基づき、大学生を高不安群と低不安群に分けています。
刺激は恐怖または幸福の表情で様々な強度のものを用い、その強さを①17.5%または22.5%、②47.5%または52.5%、③77.5%または82.5%の2×3=6種類用意しました。なぜ20%、50%、80%の3種類にしないのかというと、17.5%と22.5%の比較などで微妙な表情の差に対する感度も測ることができるからです。
①~③の条件で、被験者にはどちらが表情が強いか(または弱いか)を判断させました。たとえば、①17.5%または22.5%の条件だと22.5%強度の方を強いと判断すれば正解です。顔刺激は判断が終わるまで見ることができました(つまり、考える時間が与えられていました)。
結果、高不安群は低不安群と比べて、①表情を恐怖と判断する基準が緩い(約20%、50%の強度)②表情を幸せと判断する基準が厳しい(約50%の強度)という結果になりました。
低不安群の立場からいうと、①は表情を恐怖と判断する基準が厳しい、②は表情を幸せと判断する基準が緩いということになります。
もっとも、恐怖表情の判断基準が0と有意に異なる(つまり、判断基準にバイアスが存在する)のは高不安群ではなく、低不安群の方でした。
高不安群のほうが低不安群よりも①弱い恐怖表情の強度(17.5% vs. 22.5%)間の違いを認識するのが苦手(p<.05)で②中程度の幸福表情(47.5% vs. 52.5%)間の違いにも鈍感な傾向(p<.10)でした。
スポンサードリンク