緘黙を(臨床)心理学の研究等から考察 | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

場面緘黙症を心理学研究から考える際に有益な論文を取り上げるシリーズです。今回は、歯を磨くことによる「ビッグマウス」効果のお話です。

なお、その他の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。

新ブログ『心理学・脳科学・動物行動学アブストラクト』も設立したので、時間があればのぞいてやってください(参考記事⇒新ブログ『心理学・脳科学・動物行動学アブストラクト』開設のお知らせ)。

最近の記事1⇒「中間の人」が左右どちらからも外集団成員だと認識されやすいメカニズム
最近の記事2⇒パレイドリア錯覚には創造的認知の拡散要素が関与する
最近の記事3⇒心の理論の訓練は心的状態の理解の向上だけでなく、孤独感の緩和にもつながる。だが…
最近の記事4⇒クリエイティビティのパラドックス

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場面緘黙症(選択性緘黙)を緘黙の研究だけから考えるのは、井の中の蛙大海を知らずで、視野が狭いというのが私の持論です。緘黙の研究に固執することなく、もっと広く世界をみると、「喋っていると感じるのに喋る必要はない」など、場面緘黙症の理解や緘黙児・者の支援に役立ちそうな論文報告が存在します。

今回も、場面緘黙以外の研究から緘黙のことを考えてみようという趣旨の記事です(例によってアブストラクトしか読んでいませんが)。なお、もっと視野を広めたいという方は、拙ブログの『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』も読んでくださると嬉しいです。

ついでに本記事とは直接関係ないですが、『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』の最近の記事を4つご紹介します。

統合失調症の遺伝的リスクが高い人からのデータ収集は難しい

研究への参加自体に遺伝の影響がある

ヒトのDMNに相同な自発的低周波数振動が植物も含めた様々な生物にある

ダンバー数は幻想で、無益な概念
↑※DMNとはデフォルト・モード・ネットワーク(Default Mode Network)のことで、本ブログでも「デフォルトモードネットワークが報酬課題で高い活動を示す高社交不安者」、「Regional Homogeneity(ReHo)で社交不安症の識別が可能」、「社交不安障害と健常者を鑑別診断できる安静時機能的結合」といった記事で、DMNが登場します。
※ダンバー数とは、ヒトが安定的に維持できる人間関係の数は、脳、特に新皮質の大きさに規定されており、150人程度だという進化心理学者のロビン・ダンバー名誉教授が提唱した概念のことです。記事では、そのダンバー数に痛烈な批判を浴びせた研究を紹介しています。

Yu, Y., Shafto, P., & Bonawitz, E. (2020). Inconvenient samples: Modeling biases related to parental consent by coupling observational and experimental results. Open Mind, 4, 13-24. doi:10.1162/opmi_a_00031.

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今回は前回の記事「喋らなくても喋っている感覚は味わえる」の続編です。論文オーサーも前回と全く同じです。しかし、喋っている感覚を味わう方法は、前回とは異なります。

なお、私の別のブログ、『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』の最近の記事は以下の通りです。

見つめられると笑顔になる
ラーメンの想起は実験協力意図を低下させる
心の理論が読解力の発達に寄与するメカニズム
浮気をしたことがあるかどうかは声を聞けば分かる

Banakou, D., & Slater, M. (2017). Embodiment in a virtual body that speaks produces agency over the speaking but does not necessarily influence subsequent real speaking. Scientific Reports, 7:14227. doi:10.1038/s41598-017-14620-5.

スペインのバルセロナ大学神経科学研究所&心理学研究室臨床心理学精神生物学研究室イベントラボ、Passeig Lluís Companysのカタロニア先進研究所?(Institució Catalana de Recerca i Estudis Avançats,ICREA)、イギリスのユニバーシティ・カレッジ・ロンドン情報工学科の研究者2名による論文です。

〇方法

被験者間計画。バーチャルリアリティーの実験のため、ラップトップの前のスツールに着席し、ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display,HMD)を装着。スピーカー・イヤホン・マイクロフォン内臓ヘッドセット、ヘッドトラッキングを使用。実験を通して女性オペレーターが常在。

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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