検索すると緘黙文献がヒットする大学機関等 | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

事実誤認のため、2013年6月27日にタイトルを含め部分的に書き改めました。

福島大学がふくしま教育情報データベースをホームページ上に公開しています。その中に、『教育福島』や『福島県教育センター所報』(第1号から第5号)、『福島県教育センター所報ふくしま』(No.6からNo.154)などが収録されています。それらの中で、20世紀後半期に、緘黙が相次いで報告されていました。

『教育福島』は1975年(昭和50年)から2000年(平成12年)にわたって発行された教育資料です。『福島県教育センター所報』は1971年(昭和46年)6月から1972年(昭和47年)3月までの5号が所報として発刊されていました。しかし、1972年6月から所報ふくしまと改名し、2008年6月のNo.154まで公刊を継続していました。

とても私の手におえる量ではないので、ここではGoogle検索へのリンクを設定し、目についたページを取り上げるだけにします。

ふくしま教育情報データベースで緘黙と検索(Google)

ふくしま教育情報データベースで"かん黙"と検索(Google)

ふくしま教育情報データベースで"かんもく"と検索(Google)

以下、先頭の番号は参考URL資料の1. 2.にそれぞれ対応

1.福島県教育センター所報第4号によれば、1971年の時点ですでに初歩的なスモールステップの治療が推奨されています(実際に行われたのかどうかは不明)。

2.昭和53年度(1978年)4月1日から翌年の3月31日にかけて、すでに「場面緘黙」の相談が教育センターに寄せられていることがわかります。幼児から教員まで全体としての相談件数は33件と全965件中、約3.42%を占めています。特に小学生の場面緘黙で相談が多く28件です。小学生全体の相談数は287件ですから、約9.76%を占めていることになります。

小学生に限ってみると、相談件数の第一位が登校拒否(102件)、第二位が吃音(52件)、第三位が自閉症(30件)、そして第四位が場面緘黙(28件)です。

ただし、当時の診断基準が現代とは違うことも考慮しなければなりません。

それにしても、福島県教育センターで1970年代からこれだけの緘黙児の事例、指導報告がされていながら、全国に広がっていかなかったのはなぜなのでしょうか?

参考URL(2013年6月26日現在)

ふくしま教育情報データベース

http://is2.sss.fukushima-u.ac.jp/fks-db/

1. 伊藤武司(1971). 緘黙(かんもく)(学校では口のきかない子). 福島県教育センター所報, 4, 20.

http://is2.sss.fukushima-u.ac.jp/fks-db/txt/60000.shohou/00004/html/00020.html

2.著者不明(1979). 教育センターから 昭和53年度の教育相談をかえりみて. 教育福島, 41, 38-39.

http://is2.sss.fukushima-u.ac.jp/fks-db/txt/47000.kyouiku_fukushima/00041/html/00039.html

●その他、目についたもの

佐藤弘幸(1980). <教育相談>学校で口をきかない子供(場面鍼黙児)の援助指導-事例研究を試みて-. 福島県教育センター所報ふくしま, 47, 13-14.

http://is2.sss.fukushima-u.ac.jp/fks-db/txt/60000.shohou/00047/html/00013.html

著者不明(1993). 場面かん黙のために集団不適応に陥った児童の事例. 福島県教育センター所報ふくしま, 108, 28-30.

http://is2.sss.fukushima-u.ac.jp/fks-db/txt/60000.shohou/00108/html/00028.html

星正・佐藤守男(1974). 長欠児童・生徒 かん黙児童・生徒の治療的指導に関する研究. 福島県教育センター研究紀要, 15, 1-22.

http://is2.sss.fukushima-u.ac.jp/fks-db/txt/60000.kiyou/kiyou_015/index.html

星正・佐藤守男(1974)は「緘黙児の出現率、重篤度別の分布、兄弟構成など」というタイトルで記事にしました。

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前回、筑波大学人間系のホームページで園山繁樹教授による選択性緘黙の研究概要を入手する方法について書きました。今回は弘前大学編です。

青森県弘前市にある弘前大学(国立大学)のHP内に限定した検索で、選択性緘黙についての研究概要が手に入ります。弘前は「ひろさき」と読みます。私は地名の読み方に疎いので、この読み方を知りませんでした。

Googleでの検索結果(緘黙 site:hirosaki-u.ac.jp) (PDFファイルに限定した検索)

これにより、石岡れい子・上澤司『不登校に陥った選択性緘黙のある生徒への支援と中学校へのコンサルテーション』や村田真奈美・佐藤忠全『選択性緘黙の生徒の主体的集団参加に向けた支援の検討. − A 子の活動への切り替え場面における教師とのかかわりを通して』、鳴海愛子『A子の意思表出を促す教材の活用』などの文献を読むことができます。

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筑波大学(人間総合科学研究科)の園山繁樹教授による『選択性緘黙の経験者と保護者に対する質問紙調査』や奥村真衣子との共著『選択性緘黙経験者における症状のとらえと対処に関する検討』という研究概要がネット上で読めます(最下部参照)。

園山教授は「選択性緘黙の内的世界の探究と治療教育的アプローチの開発」という題目で科学研究費補助金(科研費)を受けており、後者はその予備調査のようです。前者は東條光裕氏が卒業論文(卒論)として実施しました。

*文部科学省と独立行政法人の日本学術振興会が交付している補助金が科研費です。園山教授は代表者として2012年度までに3150万円(間接経費含む)を緘黙症の研究費として受領されています。

参考(最下部発表文献の部分を参照):選択性緘黙の内的世界の探究と治療教育的アプローチの開発:2010年度 研究実績報告書

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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