「問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。
2021.05.24
発達心理学者で気質研究でも知られるJerome Kagan氏が2021年5月10日に逝去されました。享年92歳でした。ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)などが報じています。
Kagan氏はハーバード大学の名誉教授で、場面緘黙症でも「行動抑制」の研究の観点から、理論的(といっていいのかどうかわかりませんが)な貢献を果たしました。場面緘黙症における抑制気質の役割はこれまで単なる仮説でしかありませんでしたが、近年では「健常発達児の場面緘黙傾向、抑制的気質、(社交)不安」という記事で取り上げた研究のように、緘黙と行動抑制との関連を調べる研究がでてきています。今後の研究の進展が待たれるところです。
Kagan氏はハーバード大学の名誉教授で、場面緘黙症でも「行動抑制」の研究の観点から、理論的(といっていいのかどうかわかりませんが)な貢献を果たしました。場面緘黙症における抑制気質の役割はこれまで単なる仮説でしかありませんでしたが、近年では「健常発達児の場面緘黙傾向、抑制的気質、(社交)不安」という記事で取り上げた研究のように、緘黙と行動抑制との関連を調べる研究がでてきています。今後の研究の進展が待たれるところです。
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2017.04.08
興味深い研究成果をすべて熟考できればいいのですが、生憎時間が許しません。そこで、アブストラクトだけを読んだ、抑制的気質(行動抑制)に関する興味深い論文を軽く取り上げます。ほとんどが最新の研究成果です。
なぜ、抑制的気質なのかというと、場面緘黙児(選択性緘黙児)は抑制的気質が強いという仮説があるからです。なお、抑制的気質とはなんぞやという方は「行動抑制の概念 by Jerome Kagan」をご覧ください。特に、抑制的気質は社交不安障害(社会不安障害)のリスクを7.59倍高めるというメタ解析研究があります(Clauss et al., 2012)。
今回は親に行動抑制歴があると、抑制気質児の不安障害リスクが高いという研究です。
なお、抑制的気質以外の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。
最近の記事1⇒物ではなく経験をプレゼントした方が対人関係が良くなる
最近の記事2⇒数量限定広告は人を攻撃的にさせる
↑記事1:物を買うより経験を買う方が幸せになれるといわれますが、プレゼントの場合も経験をあげた方が良いという研究です。
記事2:「〇個限定販売!」という広告を見かけたら要注意。攻撃的になっちゃうかも、です。
なぜ、抑制的気質なのかというと、場面緘黙児(選択性緘黙児)は抑制的気質が強いという仮説があるからです。なお、抑制的気質とはなんぞやという方は「行動抑制の概念 by Jerome Kagan」をご覧ください。特に、抑制的気質は社交不安障害(社会不安障害)のリスクを7.59倍高めるというメタ解析研究があります(Clauss et al., 2012)。
今回は親に行動抑制歴があると、抑制気質児の不安障害リスクが高いという研究です。
なお、抑制的気質以外の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。
最近の記事1⇒物ではなく経験をプレゼントした方が対人関係が良くなる
最近の記事2⇒数量限定広告は人を攻撃的にさせる
↑記事1:物を買うより経験を買う方が幸せになれるといわれますが、プレゼントの場合も経験をあげた方が良いという研究です。
記事2:「〇個限定販売!」という広告を見かけたら要注意。攻撃的になっちゃうかも、です。
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2016.12.30
交流相手が道徳的に良い人なのか悪い人なのかよく分からない場合、抑制的気質が高い大学生は自己報告上は相手に感じる信頼度は特段低くないが、行動レベルでは相手を信頼していないという結果が得られた論文を読みました。
なお、抑制的気質(行動抑制)とは、新奇な人や物、状況を警戒し回避する気質傾向のことです。基本的なことは「行動抑制の概念 by Jerome Kagan」という記事を参考にしてください。抑制的気質は社交不安障害(社会不安障害)のリスクを7.59倍高めるというメタ解析研究があります(Clauss et al., 2012)。また、行動抑制は過剰不安障害(全般性不安障害)や恐怖症、回避性障害、分離不安障害、うつ病、自殺企図、アルコール問題、薬物使用問題、PTSD(心的外傷後ストレス障害)のリスクを高めるという研究もあります。
Radell, M. L., Sanchez, R., Weinflash, N., & Myers, C. E. (2016). The personality trait of behavioral inhibition modulates perceptions of moral character and performance during the trust game: behavioral results and computational modeling. PeerJ, 4:e1631. doi:10.7717/peerj.1631.
★概要
〇目的
本研究の目的は、行動抑制という性格特性が、相手に感じる信頼レベルや信頼ゲームでの意思決定に与える影響を調べることとしました。
○方法
なお、抑制的気質(行動抑制)とは、新奇な人や物、状況を警戒し回避する気質傾向のことです。基本的なことは「行動抑制の概念 by Jerome Kagan」という記事を参考にしてください。抑制的気質は社交不安障害(社会不安障害)のリスクを7.59倍高めるというメタ解析研究があります(Clauss et al., 2012)。また、行動抑制は過剰不安障害(全般性不安障害)や恐怖症、回避性障害、分離不安障害、うつ病、自殺企図、アルコール問題、薬物使用問題、PTSD(心的外傷後ストレス障害)のリスクを高めるという研究もあります。
Radell, M. L., Sanchez, R., Weinflash, N., & Myers, C. E. (2016). The personality trait of behavioral inhibition modulates perceptions of moral character and performance during the trust game: behavioral results and computational modeling. PeerJ, 4:e1631. doi:10.7717/peerj.1631.
★概要
〇目的
本研究の目的は、行動抑制という性格特性が、相手に感じる信頼レベルや信頼ゲームでの意思決定に与える影響を調べることとしました。
○方法
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